誰かが見てる
以前、何かの本で見かけたお話です。
ちょっとした教訓になっています。
ある男が、貧乏に耐えかねて泥棒を働くことにした。
まだ小さな一人娘を連れて、真夜中に一軒の家へと
目星をつける。
男は娘に言う。
“もし、誰かが見ていたら、すぐにお父さんに知らせるんだよ”
そして男が、どこかから家の中へ入れないかと
調べだしたところで娘が叫んだ。
“お父さん、誰かが見てる!”
男は、慌てて作業を中断して辺りを見渡すが、
周りには誰もいない。
男は、もう一度娘に言う。
“いいかい、誰かが見ていたら知らせるんだ”
娘がうなずいたのを見届け、男は再び家を探る。
“お父さん、誰かが見てる!”
娘がまたしても叫ぶが、やはり誰も見当たらない。
男は娘に念押しして作業に戻るが、同じように娘に遮られる。
“いいかげんにしなさい。誰も見ていないじゃないか”
怒鳴る男に、娘は静かに返す。
“でもね、お父さん…”
“空から、誰かが見てる”
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